筆保銀香です

三題噺置き場。縦書きの。段落のところの1マス空きが変なのはご容赦ください。

2016-01-01から1年間の記事一覧

彼女にとって

「私の居場所になって」 そう言われてから、僕は彼女の「居場所」となった。 「あなたは私の大事な人よ」 そっと僕の背中に頬を寄せた彼女が言った。「あなたは私の大事な人」 そう言われてから、僕は彼女の大事な「人」となった。 ぱんっ、と気持ちの良い音…

人間椅子の所

人でいたくない。物でもいたくない。どこにもいたくない。そう思いながら今日も誰かに座られる。

ドーナツ処刑台

僕の理想はただの理想でしかなくて、僕の現実だけが現実的すぎて泣けてくる。僕は死にたいんだ。ただ、死にたいだけなんだ。

愚かな若者たち

なんとなく、エッセイ的なものを書こう。三題噺という何が出てくるかわからない魔法のランプみたいなものでエッセイというのも場違いかもしれないけれど、とにかく今日はそんな気分で。

シンデレラガール

私、シンデレラのお話から抜け出すことのできたない十四歳。冬の森の中で、くまさんに出会わないように、お菓子の家の魔女を探しています。このままおばあちゃんの家に行って、おおかみさんに騙されてもいいけど、でも、やっぱり素敵な王子様に出会いたいの!

ほらよ、女子高生だ

マックには女子高生がやって来る。それは、普通の笑い声と不満気な愚痴をもらす口を持った普通の女子高生だけでなく、近所のアニメイトやとらのあなの戦利品を広げる女子高生や、校則なんてものに縛られないライオンのような色の髪をした女子高生まで多岐に…

アニメチック

嗚呼、ツインテールだ。顔を上げると、目の前にバカバカしいツインテールが存在していた。